あ | い | う | え | お | か | き | く | け | こ
さ | し | す | せ | そ | た | ち | つ | て | と
な | に | ぬ | ね | の | は | ひ | ふ | へ | ほ
アール・アール・エス 【RRS】
セーリング競技規則(Racing Rules of Sailing)。ISAF(国際セーリング連盟)が定めた、セーリング競技の基本的なルールが定められている。オリンピック年を基準に4年ごとに改訂される。国内ではJSAF(日本セーリング連盟)から日本語版が販売されている。
⇒ アイサフ ⇒ にほんセーリングれんめい
アイ 【eye】
輪、穴。アイ・スプライスといえば、ロープの端に輪を作るスプライスのこと。
イギリス発祥のハンディキャップ・ルール。2000年から世界各国で使われている。
International Measurement System。さまざまなデータと計測を基にヨットの性能を評価し、ハンディキャップを決めるシステム。
アイサフ 【ISAF】
国際セーリング連盟(International Sailing Federation)。ヨット・レースの開催とルール管理に携わる国際機関。日本には日本セーリング連盟(JSAF)、米国はUS-Sailing、ニュージーランドはヨッティング・ニュージーランドなど、各国にセーリング競技のナショナル・オーソリティーがある。ISAFはその統括団体。旧・国際ヨット競技連盟(International Yacht Racing Union)。
アウトホール 【outhaul】
メインセールのクリューを後ろへ引くコントロール・ライン。haulは「引っ張る」の意で、穴(hole)ではない。outhaulで「外に引っ張る」の意味なので、セールのクリュー側にあるアウトホールは、正確にはクリュー・アウトホールという。
あか 【垢】
ビルジ・ウォーター(bilge water)。船底に溜まる水。”垢”というと、本来は汚い物の意で、水垢というと水の中に溜まった垢をいうが、船では船底に溜まる垢の水のことなので、水垢というより垢水。
⇒ ビルジ
あげしお 【上げ潮】
潮の満ち干(潮汐)の「満ち」部分。潮が満ちつつある状態。それにともなった潮の流れを意味することもある。
⇒ ちょうせき
あさなぎ 【朝凪】
陸風(land breeze)と海風(sea breeze)の狭間で、無風状態となる現象。
風上にある目的地に向けてタッキングを繰り返しながら進むこと。そのコース。
あてかじ 【当て舵、counter rudder】
ヨットの舵は、方向転換のためだけにあるのではない。最も重要な役割は、真っ直ぐ走るように調整すること。さまざまな要素でヨットは左右に曲がろうとする。それを押さえるために切る舵が「当て舵」。カウンター・ラダー、カウンター・ステアともいう。
アビーム 【abeam】
1:船の横方向。真横。「A灯台をアビームに見て・・・」。 2:真横から風を受けて走る「ウインド・アビーム」の略。
アフターガイ 【afterguy】
単にガイといえば、ポールのエンドに取り付けてポールを固定するラインのこと。そのうち、アフターガイはスピネーカー・ポールを後方に引いて固定させるもの。一方、スピネーカー・ポールを前かつ下方向に引くのがフォアガイだが、どちらも単にガイと呼ぶことがあるので「ガイをゆるめろ!」というと混乱する。この場合は「ポール・バック」とか「ポール・フォワード」と表現する。
アヘッド 【ahead】
船首方向へ。前進。機関での前進の加減を表すには、後進同様、デッド・スロー、スロー、ハーフ、フルがある。
アメリカズ・カップ 【America’s Cup】
ヨット・レース界で最高峰といわれるマッチ・レース。防衛者と挑戦者の1対1による、カップ争奪戦。1851年のワイト島一周レースで優勝した<アメリカ>(号)の艇名に由来する。以来、米国勢が守り抜いてきたが、1983年にオーストラリア勢が勝利を収めてから状況は一変している。日本からは過去3回挑戦しているが、いずれも予選シリーズで敗退している。
アラウンド・アローン 【Around Alone】
現在「ファイブ・オーシャンズ」と名称が変った、一人乗り世界一周レース。以前はスポンサー名から「BOC単独世界一周レース」と呼ばれていた。
錨(いかり)。ロープやチェーンの先に付けて海底に降ろし、その重量や爪で海底に食いつかせることによって船をその場に留めておくための道具。さまざまな形状のものがある。
アンカー・ロープ 【anchor rope】
船とアンカーをつなぐロープ。アンカー・ライン、アンカー・ケーブルともいわれる。ロープだけだと軽く、擦れにも弱いので、アンカーとロープの間に数メートルのチェーンを入れることもある。同じ大きさのアンカーなら、チェーンが長いほど利きが良くなる。またアンカー・ロープ全体の長さが長いほど、利きが良くなる。
ヨットの上で「アングル」といえば上り角度のこと。
アンサリング・ペナント 【answering pennant,answering pendant】
国際信号旗の回答旗。
あんぜんびひん 【安全備品】
安全に帰するための装備品。主にルールで定められている備品を指すことから、法定備品とも呼ばれる。航行区域によって内容が異なり、関係機関が定めている。
⇒ さくらマーク
一般的なヨット・レースでは、ルール違反があったか否か、レース後の審問でジュリー(jury:審査員)が判断する。マッチ・レースの場合、レース後では間に合わないので、その場でアンパイアが決定を下す。
イーブン・トリム 【even trim】
⇒ トリム
いかり 【錨】
アンカーの渋い呼び名。
⇒ アンカー
いかりむすび 【錨結び、fisherman’s bend】
フィッシャマンズ・ベンド。リング(輪)にロープを留める為の最良の結索法。
船がすすむこと。惰性で進むこと。低速時に使われる言葉。
いちかみ 【1上】
通常のインショア・レースでは、スタート後は風上にあるマークへ向かう。このとき、1周目の風上マークが「いちかみ」。2周目は「にかみ」。
いちしも 【1下】
ブイを回るインショア・レースでの最初の下マーク。2週目は「にしも」。
いってこい 【行ってこい】
行って、帰ること。ヨット・レースで「行ってこい」といえば、A地点をスタートし、ブイや島を回ってA地点にフィニッシュするような形式のもの。
いりふね(いりぶね) 【入り船】
港口に船尾を向けた状態で船を係留すること。
⇒ でふね
インショア 【inshore】
1:沿岸地域。インショア・レースといえば、主に陸地の近くで、設置したブイ(マーク)を周回して順位を競うレースのこと。外洋レース(オフショア・レース)が可能なセーリング・クルーザーによって行われるものだけを指すことが多い。 2:海から陸に向かって吹く風。
⇒ オフショア
ウィスカー・ポール 【whisker pole】
船尾方向から風を受けて走るときに、ジブをメインセールの反対側に張り出すためのつっかい棒。ウィスカーと呼ぶことが多い。
ウインチ 【winch】
シートやハリヤードなどを引き込むための艤装品。丈夫なようで意外と壊れる。日頃の手入れが重要。
ウインチ・ハンドル 【winch handle】
ウインチを回すためのハンドル。ストッパーが付いていて抜け落ちたりしないようになっているものが主流。水に浮くものがオススメ。
⇒ ウインチ
ウインデックス 【WINDEX】
マストヘッドに付ける風見の商品名。普及しているので風見の総称として用いられる。
⇒ マストヘッド
ウインド・アビーム 【wind abeam】
見かけの風を真横から受けて走ること。略してアビームというのが一般的。
⇒ アビーム
ウインド・ベーン 【wind vane】
風を受けて、常に風の方向に向く板を利用した自動操舵装置。コースを外れると板に風が当たって動き、その動きで水中にある小さい舵が動く。シンプルで合理的。
⇒ オートパイロット
ウインドラス 【windlass】
揚錨機。アンカーとアンカー・ロープ、チェーンを巻き上げるためのウインチ。電動、手動がある。水平の回転軸を持つものがウインドラスで、垂直の回転軸を持つのがキャプスタン。
ウインドワード 【windward】
風上、風上側、風上側へ。
⇒ リーワード
ウーチング 【ooching】
身体を急に前方へ動かして、急に止まる動作のこと。勢いを付けて加速させることが出来るが、ルールでは禁止されている。
⇒ プレーニング
ウェザー 【weather】
ヨットでは「風上の」、「風上の方へ」という意味で使われる。
ウェザー・ヘルム 【weather helm】
風上に切り上がろうとする船の性質。
⇒ リー・ヘルム
ウエス
ボロ布。汚れを拭き取ったり、垢を染み込ませてスポンジ代わりに使ったりする布きれ。
⇒ あか
ウェットスーツ 【wet suit】
ネオプレンの厚い肌着。肌との間に入った海水を体温で温め、保温する。ディンギーやボードセーリングでよく使われる。冬場は一度脱いでしまうと、濡れたままで再度着るのはつらい。
⇒ ドライスーツ
うきさんばし 【浮桟橋】
桟橋の一種。杭で支えられているが、桟橋自体は海面に浮いている。ポンツーンともいう。
船首に向かって右側の舷。スターボード・サイド(starboard side)。
うらかぜ 【裏風】
⇒ バックウインド
ロープの結び方の一つ。ロープのエンドに8の字を描くようにして節を作るもの。
エー・シー・ボート 【ACボート】
アメリカズ・カップで用いられる規格のヨット。究極のレーシングマシン。
エー・ピー 【AP】
国際信号旗の回答旗(answering pennant)。ヨット・レースでは「レース延期」の意味。
⇒ かいとうき
エスき 【S旗】
国際信号旗のS旗。ヨット・レースでは「コース短縮」を意味する。
エックスき 【X旗】
国際信号旗のX旗。ヨット・レースでは「リコールあり」。スタートでフライングした艇があるという意味。
⇒ リコール
エルき 【L旗】
国際信号旗のL旗。ヨット・レースでは、声の届く範囲に来いという意味。
⇒ ほんぶせん
おいかぜ 【追い風】
船の後ろから吹いてくる風。追手(おって)、真後ろからの風を真追手(真追手)ということもある。
⇒ ダウンウインド
カッパ(合羽)のしゃれた呼び名。昔はオイル引きのキャンバス地が使われたことに由来する。
⇒ カッパ
外洋レース評議会(Offshore Racing Congress)。セーリング・クルーザーのオフショア・レース規則を管理運営する国際組織。現在はJSAF傘下に入る。
⇒ アイサフ
ORCが提唱するハンディキャップ・システムのひとつ。簡易な計測または申告によってハンディキャップを算出する。
潮汐の中で、特に干満の差が大きい日。またはその時の潮。
⇒ ちょうせき
自動操舵装置。時に電動のものをいう。対して、自然の力を利用するものはウインド・ベーンと呼ばれる。
⇒ ウインド・ベーン
ヨット、ボートを覆うキャンバス製カバー。汚れや紫外線から船を守る。
クローズホールドで帆走中、目的地へのレイラインを通り過ぎてしまった状態。風向の変化でオーバーセールになることもある。
⇒ レイライン
セールのトリムがきつすぎる状態。ツイストが少なすぎるなど。
⇒ ツイスト
1:重なった状態。メインセールと重なるくらい大きいヘッドセールを「オーバーラップ・ジブ」という。重ならないジブを「ノンオーバーラップ・ジブ」という。 2:RRSで定義される「オーバーラップ」は、2艇のヨットのうち、前方にいる艇の艇体および正常な位置にある装備の最後部から真横に引いた線と、相手艇の艇体および正常な位置にある装備の最前部から真横に引いた線が重なった状態。
オープン・ヨット・レース 【open yacht race】
予選などもなく、誰でも参加できるレース。これからヨットレースを始めたい方にもオススメ。
⇒ いってこい
陸上に残るチームメンバーのこと。大学ヨット部のレースに出ることが出来ない下級生のような、下っ端的な意味合いが強いが、大事なメンバー。
沖よりのコースを取ること。逆は岸ベタ。
⇒ きしべた
⇒ おいかぜ
ヨットが風下方向へコースを変えること。英語ではベア・アウェイ、バウダウン。
沖の方へ、外洋。オフショアの風といえば陸から沖へ吹く風。オフショア・レースは外洋レース。
右回頭をする操舵。英語でいうとスターボード。左舵は取り舵。
オリンピックのセーリング競技で採用されるコース。一般的には以前に採用されていた代表的な三角形のコースを指す。
目で見る視覚信号に対して、耳で聞くのが音響信号。ヨット・レースでも、旗に代表される視覚信号に対して、ホーンや号砲などの音響信号を使用する。ヨット・レースでは、メインが視覚信号、サブとして音響信号がある。
ガイ 【guy】
スピネーカー・ポールなどのスパー先端からリードされ、そのスパーを固定、または調整するための索類。
かいこう 【回航】
1:マーク、島などを回り込むこと。 2:船を、ある港まで移動させること。
かいとうき 【回答旗】
アンサリング・ペナント。ヨット・レースでは「スタート延期」を意味する。
⇒ エー・ピー
シーブリーズ(sea breeze)といわれることが多い。天候の安定している春から夏によく吹く。
がいようレース 【外洋レース】
外海(そとうみ)で行われるレース。オフショア・レース(offshore racing)。
かえす 【返す】
「タックを返す」でタッキングすること。一般的には、タッキングやジャイビングすることを「返す」ということが多い。
がくれん 【学連】
学生ヨット連盟の略。「学連出身」、「学連あがり」などは、大学の体育会ヨット部OBを指す。
かざかみ 【風上】
風の吹いてくる方向。単純に上(かみ)ともいう。風上にあるマークは「風上マーク」、「上マーク(かみまーく)」という。
⇒かざしも
かざかみエンド 【風上エンド】
ヨット・レースにおける、スタート・ラインの風上エンド。上(かみ)エンド。スターボード側エンド(右エンド)をいう。スタート・ラインが傾いていて、左エンドの方が風位に近くても、右エンドが風上エンドになる。
かざしも 【風下】
風上の反対が風下。単純に下(しも)ともいう。風下にあるマークは「風下マーク」、「下マーク(しもまーく)」という。
かざしもエンド 【風下エンド】
ヨット・レースにおけるスタート・ラインの風下側エンド。左エンド。ピン・エンドともいう。
かざみ 【風見】
見かけの風向を知るための仕掛け。セールについているテルテールも風見と呼ばれる。
ガジョン 【gudgeon】
トランサムに舵を取り付けるための留め金をいう。穴が開いていて、受ける方がガジョン。穴に入る軸棒がピントル。
カタマラン 【catamaran】
双胴艇。バラスト・キールが不要なため、軽量でスピードが出る。
⇒ トライマラン
かっしゃ 【滑車】
⇒ ブロック
カッパ 【合羽】
雨合羽のカッパ。ヨット用のものは、防水透湿をはじめ細かいところにまで工夫がされている。オイルスキン、ギアなど呼び方もいろいろだが、やはり「カッパ」と言われることが一番多い。
カニンガム・ホール 【cunningham hole】
メインセールのラフを、下方向に引くコントロール・ライン用の穴。「カニンガムを引く」といえば、ここにリードされたコントロール・ラインを引いて、メインセールのラフにテンションをかけること。
かみいち 【上一】
スタート・ラインの風上エンド(右端)から一番目のポジション。1上(いちかみ)とは意味が違う。
かみとっぱ 【上突破】
風上側から抜き去ること。
かみゆうり 【上有利】
ヨット・レースのスタートで、風上エンド(本部船側)からスタートした方が有利な状況。風が右に振れている場合などにそうなる。
⇒ かざかみエンド
カム・クリート 【cam cleat】
クリートの一種で、バネ仕掛けのカムでロープを挟むようにして留めるもの。
⇒ クリート
ガムテープの略。茶色い布製の荷造りテープのこと。ビニールテープも「ビニテ」と略されることが多い。
船体の上の縁。舷。
追い風での帆走中、メインセールの反対側にジブを開いてセーリングすること。
⇒ おいかぜ
1:道具、用具、装備一式。 2:衣服。 3:歯車。
バラスト・キールを備えたセールボート。ドラゴン級、ソリング級、J/24級、アメリカズ・カップ級など。一般的なセーリング・クルーザーもキールボートに入る。
⇒ センターボーダー
岸に沿って、または寄せて走ること。
⇒ おきだし
船の装備全般。セーリング前の準備は艤装、セーリング終了後は解装(かいそう)となる。
⇒ フィッティング
⇒ ブーム・バング
セールとエンジンを併用して走ること。
1枚帆のリグ。同じセール面積ならば、1枚より2枚のセールを展開した方が、効率よく前進力を生み出すことができる。
船の炊事場。船では「キッチン」はほとんど使われない。
⇒ ライフ・ラフト
落水者を救助するための浮き輪。ライフ・リング。一端が開いた馬蹄型のものが多い。
小型船舶の安全備品のひとつ。浮き輪を大きくしたような浮き板。しがみつくようにして使う。
水抜き栓。略してキントンということが多い。閉め忘れて海に出ると大変なことになる。
ブームの付け根の艤装品。上下左右に動くようになっている。
マスト・カラーとマストの隙間を埋めるための木片、プラスチック片をくさびという。
⇒ マスト・カラー
ウインチを回すポジションをグラインダーという。
巻き結び、とっくり結び。
クリートの一種。溝の中にロープを挟むようにして留める。可動部がないので壊れにくい。
ウインチを巻く動作。ウインチを巻くよう指示する時に「クランク!」というのが一般的。
⇒ グラインダー
RRSに定義される用語。艇体および正常な位置にある装備が、相手艇の艇体および正常な位置にある装備の最後部から真横に引いた線より後ろにいる艇。
⇒ クリア・アヘッド ⇒ アール・アール・エス
RRSに定義される用語。艇体および正常な位置にある装備が、相手艇の艇体および正常な位置にある装備の最前部から真横に引いた線より前にいる艇。
⇒ クリア・アスターン ⇒ アール・アール・エス
ロープを留めるための艤装品。用途によっていろいろある。
緑色の旗。マッチ・レースでアンパイアが審判に使うもので、違反がなかったことを示す。
セールの後端。クリュー・アウトホールといえば、クリューを後ろへ引く艤装のこと。
⇒ アウトホール
乗組員。船長と旅客、ゲストを除く全てを指す。
巡航し、楽しむこと。一般的には泊りがけの旅をいう。日帰りはデイ・クルージング。
溝。マストのグルーブはメインセールのボルトロープを通す溝をいう。
ヨットがそれ以上、風上に向かって走れない状態。「上り(のぼり)」ともいう。そのまま目的地に到達できるようなら「片上り」という。
クローズホールドとビームリーチ(アビーム)との中間の帆走。
ヨット・レースにおいて、クラス・ルールに適合しているかを検査すること。計測する人を計測員(メジャラー)という。
レース中の事件。ルール違反によって抗議の対象になる事象。「ケースを起こした」などという。
スタート方法の一つ。1艇のパスファインダーがポート・タックのクローズホールドを走り、レース参加艇が、パスファインダー直後を横切るように次々とスターボード・タックでスタートする方法。パスファインダーの航跡がスタート・ラインとなる。
風下マークを2つ設け、どちらを回ってもOKとするもの。戦術に幅を持たせることができる。
2本マストで、後ろのマストが前のマストより短く、なおかつ舵より前に付いてる帆装のヨットを指す。
1960年に開発されたアラミド繊維で、デュポン社の商標。レース用セール・クロスの材料として用いられることが多い。
⇒ セール・クロス
船の側面。
航海灯のうち、左右の舷を示すもの。右舷が緑色、左舷は赤色。
⇒ こうかいとう
航海中の船は、日没から日の出まで航海灯を点け、他船から自船の状態が分るようにする。舷灯は右舷に緑色、左舷赤色。船尾灯には白灯、マスト上端に設ける三色灯などがある。船の種類、大きさなどによってさまざまな灯火が定められている。
ヨット競技においては、当該艇間で「抗議」しあう。その場でルール違反を認めた者は、回転するなどの失格に変わる罰則に従って償う。不満がある場合には、レース終了後の審問に持ち越される。
進路。進む方向。オン・コースといえば、正しいコースに乗っている状態をいう。
レース・コースを短縮すること。レース中に風が弱くなり、続行不可能と思われるときなどに実行される。この時、レース運営船にはS旗が掲揚される。
⇒ エスき
⇒ アイサフ
RRSで定められたスタートにおけるルール。準備信号として掲げられる旗。スタート1分前からスタート・ラインを出た船は即失格となるもの。そのスタートがセネラル・リコールとなっても、失格は取消されない。
⇒ ゼネラル・リコール ⇒ アール・アール・エス
委員会。レースの運営を行う委員会をレース・コミティーという。「コミッティー」という言い方をよく聞く。
本部船、運営船。
⇒ ほんぶせん
羅針盤。ほとんどのヨット、モーターボートでは、磁力を用いた磁気コンパスを使う。
波の前面の斜面を下ること。舵が利きにくくなってブローチングする危険もある。サーフィングをきっかけにプレーニング状態になるとスピードが増す。
マストを横方向に支えるワイヤのこと。シュラウド(shroud)が正式名称。
ヨット・レースのトライアングル・コースにおいて、風上マークからリーチングで回り込むマーク。
たるみ。ヨットでは主にフォアステイのたるみをいう。サギングによってジブの形状が変わる。
⇒ フォアステイ
法定安全備品には、国土交通省の認可のあるものしか認められないものが多いが、認可の印として桜のマークが付いている。
潮汐によって潮が引いていくこと。それにともなう流れ。引き潮ともいう。
船首に向かって左側。ポート(port)。
雑多な用途に使うロープ。余ったロープの切れ端なども使われる。
スピネーカーのピーク、タック、クリューの3点のこと。
⇒ スピネーカー
長いロープの先に付けて水中に流し、海水を抱え込んで錨の代わりをさせるパラシュートのような船用品。
コントロール・ロープの一種で、セールの出し入れを調整するもの。
⇒ ロープ
結び方のひとつ。2本のロープをつなぐ時に用いる。
滑車(ブロック)の中の滑車(回転体部分)のこと。
⇒ ブロック
⇒ かいふう
セールの縫い目。接着する場合でもシームという。
日本セーリング連盟(Japan Sailing Federation)。
形、形状。セール・シェイプといえばセール形状のこと。
通常のスピネーカーは左右対称だが、ジェネカーは左右非対称。形状はスピネーカーに似ている。
メインセールにオーバーラップするジブ。風速に合わせてライト・ジェノア、ミディアム・ジェノア、ヘビー・ジェノアなどがある。
⇒ オーバーラップ ⇒ ナンバースリー・ジブ
目で見て判断する各種の信号。旗が代表的。
強風により、波風が強い海上の天候。
セールから風が抜けて裏風が入った状態。バタバタなびくこと。
マストより前に展開するヘッドセールの中で、三角帆をジブという。ジブのうち、メインセールにオーバーラップするものをジェノアという。
⇒ ジェノア ⇒ ナンバースリー・ジブ
ジブの調整のために、ジブのクリューから取られるロープ。ツイスト、ドラフトなどの要素がジブシートの出し入れで変わってくる。
ジブシートのリードする一を変えるためのリードブロック。フェアリーダー、スライダーともいわれる。
1:風向が変化すること。 2:港内や湾内で泊める位置を移動すること。
ジブをフォアステイに巻き込む装置。専用のセールをファーリング・ジブという。
ヨット・レースのスタートで、風下エンドから一番目でスタートをすること、またはそのポジション。
⇒ かざしもエンド
レース中、相手艇の風下・前方に位置すること。
相手艇の風下から抜き去ること。同じ性能のヨットだと非常に難しい。
⇒ かざしも
ヨット・レースのスタートで、左エンド(風下エンド)からスタートした方が有利な状況。スタート・ラインに対して、風向が左に振れている場合になる。
風下方向に走りながら、セールの開き(タック)を変える動作。意図せずにセールが返ってしまうことをワイルド・ジャイブという。
⇒ サイド・マーク
⇒ ジャイビング
風上マーク回航時におけるスピネーカー準備方法のひとつ。風上マークを回った後、ジャイビングしながらスピネーカーを揚げること。
ヨットで数多く使われる接合用部品。Dシャックル、板シャックル、おたふくシャックル、ツイストシャックルなど。
シャックルを開けるための道具。板に細長い穴が開いていて、そこにシャックルのピンの頭を挟んで回す。マイナスドライバーや栓抜きを兼ねるものもある。
マストを横からささえるリギン。サイドステイといわれることが多い。
シュラウド・アジャスター 【shroud adjuster】
セーリング・ディンギーなどに用いられる、シュラウドの長さを調節するための装置。たくさんの穴の開いたプレートに、ピンを差し込んで留める。
審査員、審判員。レース後の抗議の審問においては裁判官の役割を行う。ジュリーが乗っているのがジュリー・ボート。
⇒ アンパイア
ヨットやボートを陸上に揚げること。降ろすのは下架(げか)。
ゴムひも。細いゴムを束ねた芯を、伸縮性のある繊維でカバーしたもの。略して「ショッコ」と呼ばれることが多い。
一人乗り。単独。二人乗りはダブル・ハンドという。
アメリカズ・カップの挑戦チームや防衛チームの組織を指す。
実際に吹いている風。トゥルー・ウインド。
⇒ みかけのかぜ
ロープやワイヤのエンドにアイ(輪)を作る際に、アイの内側に入れる金属やプラスチックの擦れ止め。
⇒ アイ
舵で漕ぐこと。レースでは違反でペナルティーを受けることがある。
艇長。ディンギーでは舵取り役(ヘルムスマン)をいうことが多い。
右舷、右舷側。「スターボ」などと縮めて使われることが多い。右舷から風を受けて帆走している状態が「スターボード・タック(starboard tack)」。
⇒ ポート・タック
右舷から風を受けて走っている状態。ポート・タックの艇と出会った場合には、スターボード・タックで走っている艇に権利がある。
⇒ ポート・タック
目的地(マーク)まで、スターボード・タックで走る距離の方が長いこと。
ライフラインを支える柱。十分な強度が必要。
⇒ ライフライン
スタンション・リギンのうち、マストを前後に支える索具。前から支えるフォアステイ、後ろから支えるバックステイなど。横から支えるのはシュラウドで、サイドステイとも呼ばれる。
梯子や階段状の踏み板。マストが乗る台座をマスト・ステップという。
糸を撚り合わせたもの。ストランドを3本撚り合わせたものが三つ打ちロープになる。
スナイプきゅう 【スナイプ級、International Snipe class】
全長4.72mの2人乗りディンギー。メイン・セールには鴫(シギ)のマークがある。470級とともに、日本で普及しているクラスの一つ。
開閉式のブロック。ロープの途中からでも通せるので、予備のブロックとしても重宝する。
道具なしで、ワンアクションで開閉できるシャックル。ハリヤード・エンドに使用される。
⇒ シャックル
バネ仕掛けで口が開閉するフック。
⇒ ハンクス
マスト、ブーム、スピネーカー・ポールなどの棒材全般をいう。
追い風用の左右対称セール。「スピン」と呼ぶことが多い。.75(コンマ・ナナゴ)、.5(コンマ・ゴ)などセール・クロスの厚さで呼ぶこともある。
⇒ アフターガイ
スピネーカー用のシート。風下側のクリューをトリムする。スピン・シートということが多い。同じシートでも、ジャイブするたびに「シート」、「ガイ」と呼び方が入れ替わる。
⇒ シート
スピネーカーを揚げる動作、作業。
スピネーカーのタックを、なるべく外に押し出すための棒材。スピン・ポールと呼ぶことが多い。
スピネーカーの俗称。
⇒ スピネーカー
ロープとロープをつないだり、エンドに輪を作ったりするための編み込み。
シュラウドを左右に広げて、マストとなす角度を稼ぐための補強材。
⇒ シュラウド
セーフ・リーワード・ポジション 【safe leeward position】
クローズホールドの状態で、相手より風下で、半艇身ほど前方に位置すること。同等の性能の2艇間においては有利なポジション。
バラスト・キールがない小型のセールボート。単に「ディンギー」と呼ばれることが多い。バラスト・キールがあるものはキールボート。
風を受けて前進推力とするための帆。
⇒ セール・クロス
セールを作るための布地。ダクロンが一般的だが、ケブラー、カーボンなどの繊維をマイラーのようなフィルムでラミネートしたものもある。スピネーカに使用されるナイロンやポリエステルは、特にスピン・クロスと呼ばれる。
ISAFによって定められた国の識別文字。JPN(日本)、FRA(フランス)など。
セールを縛り付ける細紐。平織りのものや、ショック・コードを使うこともある。
⇒ トリム
セール番号。レース艇のための識別番号。クラス協会などによって管理され、番号はダブらない。
1:セールを収納するバッグ。スピネーカーを収納するバッグはスピン・バッグと呼ぶ。 2:セール・クロスで作った私物入れ。
セールに受ける風の力で動く小型船。一般的にヨットと呼ばれる。
⇒ セーリング・ディンギー ⇒ キールボート
ヨット・レースにおいて、全艇がスタートをやり直すこと。ゼネリコと略すことが多い。
⇒ リコール
船具を販売する店。プレジャーボート用の船具だけを置く店を特にマリンショップという。
センターボードを持つヨット。セーリング・ディンギーのほか、昇降可能なセンターボードを持つもがセンターボーダーと呼ばれる。
横流れを防ぐために船底に設けた板。ピンを中心に回転するものをセンターボーd-、上から抜き差しするものをダガーボード(daggerboard)という。
船尾に付ける航海灯。舷灯が見えなくなる船尾側をカバーする白灯。
風上マークと風下マークを何周か回るレース・コース。上下(かみしも)4レグなどという言い方をすろことが多い。
セールを収納するバッグのひとつ。フットに沿って畳んだセールをそのまま収納でき、収納、展開が非常に楽にできる。
⇒ セール・バッグ
ワイヤの両端にある接続部品。アイ・ターミナル、フォーク、Tボールターミナルなど、さまざまな形がある。
ワイヤの張り具合を調節するための部品。ターミナルの先端に位置する。ステイやシュラウドの付け根に用いられ、ネジの出し入れで長さを変える。
レース戦術のひとつ。たとえば風上前方に位置することで相手艇の風をうばい、相手艇がタッキングして逃げるしかないような状況にすること。
⇒ ルーズ・カバー
ヨット・レースの成立条件のひとつ。一般的に、タイム・リミット以内に1艇でもフィニッシュした艇があればそのレースは成立する。
風下に向かって走ること。追っ手。クローズホールド以外の角度で、目的地にヘディングが向いている状態をリーチングという。
⇒ レーシング・タクティクス ⇒ タクティシャン
ヨット・レースにおいて、他艇との駆け引き(戦術:tactics)を担当するクルー。
アメリカのデュポン社が持つポリエステル繊維の商品名。
風上に向かって方向転換し、風位を越えてタックを変えること。ルールでは、クローズホールドからラフィングし、風位を越えて新しいクローズホールドになるまでを、「タッキング中」と定義している。
⇒ タック
1:セールの下辺前端。 2:タッキング中でもジャイビング中でもない状態。右舷から風を受けていればスターボード・タック。左舷ならポート・タックの状態であるという。 3:タッキングの略。
⇒ タッキング
船具屋、マリンショップ。
⇒ せんぐや
調整すること。マストの傾きや曲がり具合、ステイの張り具合を調整することを、マスト・チューニングという。
月および太陽の引力によって、海面が規則的に満ち引きすること。海上保安庁発行の「潮汐表」で知ることができる。
スピネーカーの展開に失敗して、ねじれたままの状態で風が入ってしまう状態。直すのに苦労することもある。
小さくて険しい波が立っている状態。三角波。チョッピーな海面などといわれる。
ヨットが転覆すること。沈むわけではなく、横倒しの状態を「半沈(はんちん)」、完全にひっくり返った状態を「完沈(かんちん)」という。強風下にリーチングで帆走中、船首が波に突っ込み前のめりに沈することがあるが、これは「バウ沈(ばうちん)と呼ばれる。
スピネーカーシートのリード角を調整する装置。シートの先に付けたブロックにスピネーカーシートを通し、下方向に引くコントロール・ロープ。
セールのねじれ。セール上部にいくほどリーチが開いていく状態。強風時にはセール上部の風を逃がすため、セールにはツイストを持たせる。
シャックルの種類のひとつ。U字型の部分が90度捻ってある。
⇒ シャックル
メインセールの第二段階のリーフ。2ポイント・リーフ。
⇒ リーフ
ヨット・レースにおけるdisqualifiedの略。失格を意味する。
ヨット・レースにおけるdid not startの略。スタート・エリアには来たが、スタートしなかったことを意味する。
ヨット・レースにおけるdid not finishの略。フィニッシュしなかったことを意味する。
ヨット・レースにおけるdid not come to the starting areaの略。スタート・エリアに来なかったことを意味する。
船の長さを基準に測る、長さや距離の目安。2艇身=その船の長さの2倍の距離。
マストが折れたり倒れたりすること。death(死ぬ)-mastではなく、dis(失う)-mast。それでも一般的にはデスマストといわれることが多い。
舵棒。左右に動かすことでラダーの角度も変わる。
⇒ ラダー
ティラー・エクステンション 【tiller extension】
ティラーの先端に取り付けられた自在棒。より遠くからティラー操作が可能になる。単にエクステンションと呼ぶことが多い。
小船全般の総称。セーリングできるものがセーリング・ディンギーだが、ディンギーというとセーリング・ディンギーを指すことが多い。
ブロックなどの滑車を使った増力装置。動滑車の数を増やすと増力が増すが、シートを引く量も増える。
極微速。エンジン回転を上げずに、クラッチをつないだ程度の状態。
真追っ手。真後ろから風がふいてくる状態。
港口に船首を向けた状態で船を係留すること。
⇒ いりぶね
風見。ジブのラフ付近に付いている細い毛糸やリボンを指すことが多い。
張力。ラフ・テンション、シュラウド(サイドステイ)・テンション、バックステイ・テンション、リーチ・テンションなどの加減がボート・スピードに大きく影響する。
ワイヤのテンションを正確に測る器具。ワイヤの太さに応じていくつか種類がある。
⇒ テンション
真の風。
⇒ しんのかぜ
感覚的な風力で、風速20ノット(10m/s)~くらい。30ノット(15m/s)なら十分「ド強風」。
スピネーカー・ポールを上方に引っ張る索具。単にトッピングと呼ばれることが多い。
風上、風下のほかにサイド・マークからなる三角形のコースを周回するヨット・レースのコース。スタート・ライン→風上→サイド→風下→風上→風下→風上でフィニッシュはオリンピックで採用されていたコースのため、オリンピック・コースとも呼ばれる。
⇒ ソーセージ・コース ⇒ かざかみ ⇒ かざしも、サイド・マーク
水を内部に入れないようにして保温する。首や手首は柔らかいネオプレンゴムで防水を行い、防水ジッパーによって着脱する。
クローズホールドで、角度よりもスピードを重視して走ること。逆はピンチ・モード。
⇒ ピンチ・モード
三胴艇。双胴艇(カタマラン)も含め、多胴艇(マルチハル)ともいう。
セーリング・ディンギーで、乗員が舷外に出てヒールを抑える際に使用する吊り索。使用することを「トラピーズに出る」などという。
セールの深さ。「ドラフトを前にする」は、カニンガムやアウトホールを調節して、セールの一番深い部分を前方に持ってくることをいう。
レールに設置して移動させる台座。カーともいう。メインシート・トラベラーを指すことが多い。
船尾のほぼ平らになっている部分。
左回頭をする操舵。ポート。
⇒ おもかじ
ヨットのポジションで、セールの調整を主に行う役目。セール・トリマー。メインセール・トリマー、ジブ・トリマーなど。
1:調節。セール・トリムはセールの調節。 2:船の前後方向の傾き。
風が強いことをいう。ド強風。
⇒ どきょうふう
まったく風がない状態。「ないだ」、「なぐ」といった使い方をする。
ヨット・レースにおいて、失格に代わる罰則の一つ。現在のルールでは、「連続した2回のタッキングと2回のジャイビング」という表現に変わった。
風向に船首が向いた状態で、ブームをシュラウド(サイドステイ)付近まで押し出し、ヨットを後進させて舵を切ること。
オーバーラップのない、レギュラー・ジブ・サイズを指す。レース中では、ジェノアだとパワーがありすぎて走りづらい時に使用することが多い。
国際セーリング連盟(ISAF)に加盟し、日本でのセーリング競技を統括する団体。Japan Sailing Federation:JSAF(ジェイサフ)。
クロロプレン(chloroprene)ゴムの商品名。ウェットスーツの材料によく使われる素材。
1:結び目。 2:速力を表す単位。1時間に1海里(マイル)進む速度をいう。記号はkt。
風上に向かって走る、クローズホールドのこと。
⇒ アップ・ウインド
ヨットが風上方向へコースを変えること。ラフ、ラフィングともいう。
⇒ おとす
ジブシートのリード角を調整するための艤装。
マリーナやヨット・ハーバーの責任者。
結び方のひとつ。単純な結び方だがよく使う。
デッキ・サイドから身を乗り出し、クルーの体重で船のヒールを押さえること。
船首。船首部一帯。
船首を風上に向けること。場合によっては風上に向けて方向転換すること。
⇒ バウダウン
船首部に突き出た頑丈なスパー。伸縮可能なポールを突き出す方式はバウ・ポールという。
⇒ バウ・ポール
船首を風下側に向けること。
⇒ バウアップ
船首から前のめりに転覆すること。
⇒ ちん
ジェネカーを展開するために、バウから突き出すポール。ディンギーでは国体種目の一つであるセーリング・スピリッツ級に採用されている。
⇒ ジェネカー
セーリング・クルーザーのポジションのひとつ。ヘッドセール、スピネーカー・ポールのセットや回収など、主にバウのデッキ作業を行うクルー。
結び方のひとつ。ロープの端に節を作り、ブロックなどから抜けないようにする。エイト・ノットということが多い。
スピネーカーやジブをバッグにしまうこと。スピン・パック、パッキングなどという。
裏風。セールの裏側(風下側)から入る風。ジブの後流がメインセールに当たるのもバックウインドという。
マストを後方から支えるステイの総称。
採光、通風のために開け閉めできる開口部。フォアデッキにあるハッチはバウ・ハッチという。
セールの形状を整えるための板。セールのリーチ側にあるバテン・ポケットに差し込む。リーチからラフまで全幅にわたるバテンを、フル・バテンという。
⇒ バテン・ポケット
バテンを挿入するためにセールのリーチ側に設けられたポケット。
⇒ バテン
船を漕ぐための櫂(かい)。パドルを漕ぐ動作をパドリング(paddling)という。
周りより強く吹く風。ブローと同じような意味だが、ブローは風の帯、パフは帯よりもっと狭い範囲で使われることが多い。
船に積む重り。バラスト・キールといえば、鉛や鉄でできたキールのこと。
セールを引き上げるために、マスト上部から伸びる索具。ジブ・ハリヤード、メイン・ハリヤードなどと呼び分ける。ジブ・ハリ、メン・ハリが略称。
船体のこと。
パイプでできた頑丈な手すり。船首にあるのがバウ・パルピット。船尾にあるのがスターン・パルピット。
スピネーカー・ポールのエンドに取り付けられたオウムのくちばし状の金具。パロット・ピークとよく聞くが、正確には「ピーク(peak)」ではなく、「ビーク(beak)」。
ヘッドセールのラフを、フォアステイにとめるためのスナップ。
ブーム・バングの略称。
⇒ ブーム・バング
レース実施にあたり、スタート時刻、レース・コース、適用ルール、表彰などのさまざまな必要事項を記した指示書。
セールを急激に引き込むことによって、加速させる動作。ルールでは一定以上の風速の場合、波に乗せる目的で1波1回までのパンピングが許されている。
国際信号旗のP旗。ヨット・レースでは準備信号で、スタート4分前を意味する。
セールの上端。
メインセールのピーク部に取り付けてある板。
セールを揚げたまま船を止めて漂うこと。ディンギーでは、ジブを風上側に引き込んで止まることが多い。
ヨットが横(風下側)に傾くこと。傾きすぎることをオーバー・ヒールという。風上側に傾くことはアン・ヒール。
左右非対称のスピネーカー。ジェネカーと呼ばれるのが一般的。
⇒ ジェネカー
物にロープを結びつける方法。大きく分けると、節(ふし)を作るノットと、巻きつけるヒッチに分かれる。
船首と船尾が上がり下がりするような船の動き。縦揺れ。
ビニールテープの略称。ヨットには必需品。
船底に溜まる汚水をビルジ・ウォーター(bilge water)といい、縮めてビルジという。汲み上げるポンプがビルジ・ポンプ。
スタート・ラインにおける風下側のマーク。風下エンド。ピン・エンドからのスタートを「下一(しもいち)」、風上側(本部船側)の際からスタートするのを「上一(かみいち)」という。
通常のクローズホールドのコースより、ほんの少し風上に向けて走ること。スピードよりも高さを優先させる走り方。スタート直後など、他艇との位置関係によって行うことがある。逆はドライブ・モード。
⇒ ドライブ・モード
トランサム・ラダーに用いる舵の取り付け金具のピン側。これをガジョンに差し込む。
⇒ ガジョン
レースにおける着順1位のこと。
セールを巻き込む装置。ジブを巻き込むのはジブ・ファーラー、メインセールはメイン・ファーラーという。
ジブ・ファーラーに使用するジブ。リーチとフット部分は日焼け防止のためにUVクロスを当てているので、色が付いているものが多い。。
⇒ ジブ・ファーラー
船体、デッキ、マストなどに取り付けられた部品の総称。セーリングのために船を準備することをフッティングともいう。
⇒ ぎそう
ヨット・レースにおけるゴール。海上に設定された2つの点を結んだ線がフィニッシュ・ライン(finishing line)となる。
風の吹いてくる方向。船上で、船首から何度の角度から吹いてくるかを表すのがウインド・アングル(wind angle)、どの方位から吹いてくるかを表すのがウインド・ディレクション(wind direction)。ウインド・アングルには、見かけの風(apparent wind angle:AWA)と真の風(true wind angle:TWA)の2種類がある。ウインド・ディレクションは真の風しかないため、true wind direction(TWD)となる。方位は北を0度として右回りに角度で表す。
セール下部(フット)を支えるスパー。グースネックによってマストの後ろに接続される。
セールにかかる風圧でブームが持ち上がらないように、ブームを下方向に引く装置。単にバングと呼ばれることが多い。リーチのコントロールに使う。キッキング・ストラップともいう。
⇒ ブーム
ブームが頭に当たること。強風時は特に注意が必要。
⇒ ブーム
スピネーカー・ポールを下方向に引くロープ。後ろ側にリードするものはアフターガイ。
マストを前方に支えるステイ。ヘッドステイともいう。ここにジブのハンクスを取り付けて、ジブを展開する。
⇒ ハンクス
視界不良時などに用いる音響信号の一つ。ディンギー・レースでは音響信号として、よく使われる。
セールの下辺。
引っ張る類の艤装品。マスト・ベンドを調整するための装置はマスト・プラーという。
⇒ ベンド
ルールに基づくセールの展開許容範囲を示す黒い線。マストヘッド、ブームエンドなどにある。赤色や白色の場合でもブラック・バンドという。
⇒ こくしょくき
他艇のセールや障害物などで風が遮られた状態。ブランケと略すことが多い。逆はクリア・エア。
クローズホールド以外の角度で走ることをいう。アビーム、リーチング、ランニングなどの総称。
船の集まり、集団をいう。
1対1で競うマッチ・レースに対して、多数のヨットが同時にスタートして順位を競うもの。
最大限のセール・エリアを展開している状態。
リーチからラフまでの長さがあるバテンのこと。
⇒ バテン
水面上を滑走すること。セーリング・ディンギーがリーチングなどでカッ飛んでいる状態。
スタート前のこと。RRSでも準備信号(スタート4分前)からレースは始まっているので、プレスタートもレースのうち。
風の振れにあわせてタッキングをすること。ヘッダーの風を受けるようになったらタッキングして、できるだけリフトで走るようにする。風の振れに合わせてジャイビングするのは、振れジャイブ。
セールに風を受けている圧力。微風時のスピネーカー・ランでは特に重要。
周りと比べて、強く吹く風。
⇒ パフ
波に突っ込んで船が風上へ切り上がり、横倒しになる状態。強風時のスピネーカー・ランではブローチングしやすい。
リーチングの中でも風が真横より後ろから吹いている状態。
滑車。ヨットでは回転体をシーブ(sheave)、シーブが収まったもの全体をブロックという。色々な種類がある。
ヨット・レースにおける抗議。
⇒ こうぎ
RRSに定義されているヨット・レース用語の一つ。できるだけ早くフィニッシュするためのコース。スタート前には存在しない。
風下に向けて針路を変えること。ベア、ベアウェイ、落とすなどともいう。
風上マーク回航におけるスピネーカー準備方法のひとつ。スターボード・タックでマークにアプローチし、そのままベア・アウェイしてスピネーカーを展開する基本形。
⇒ ジャイブ・セット
無風で凪の状態。海面がべた~としているところからきている。完全な無風を「完ベタ」などという。
ヘディングが落とされるような風の振れをヘッダーという。逆はリフト。
マストの前に展開するセールの総称。一般的にはジブを指す。
針路。船首が向いている方角。
マジックテープのこと。セーリングウェアにはベルクロが多数使われている。
1:ティラーやラットのこと。ヘルムをとるといえば舵を持つこと。 2:セーリング中に舵を真っ直ぐに保っていてもコースから外れようとする傾向のこと。風上へ向こうとするならウェザー・ヘルム、風下へ向こうとするならリー・ヘルム。
舵をとるポジションのクルー。セーリング・ディンギーではスキッパー(skipper)と呼ばれることが多いが、セーリング・クルーザーではヘルムスマン(舵取り)=スキッパー(船長)ではない。
⇒ スキッパー
1:しなること。マストの曲がり具合をいう場合によく使われる。 2:ロープの結び方のひとつ。主にロープ同士を結びつける方法。
⇒ セール
吊り下げること。スピン・ホイストといえばスピネーカーを展開するためにスピン・ハリヤードを引き上げること。
甲板長。クルー長を指す。最近ではボートマネージャー、ボートキャプテンと呼ばれることが多い。
マストニ上って作業を行う場合に用いる、吊り下げ用の腰掛け。
1:船首方向を見て左側。左舷。 2:港。
左舷から風を受けて走っている状態。
⇒ タック
長い棒材の先にフックがついたもの。伸び縮み(テレスコープ)するものもある。
ホープレス・ポジション 【hopeless position】
相手艇が風下前方のセーフ・リワード・ポジションに位置し、そのままでは追い抜く望みのない位置。相手艇のブランケットに入った状態をいうこともある。
⇒ セーフ・リワード・ポジション ⇒ ブランケット
もやい結び。ヨットに乗るために最初に覚える結び方のひとつ。
スピネーカー・ポールの先端を後ろに移動させること。
スピネーカー・ポールの先端を前に移動させること。
セールの縁に縫い付けられたロープのこと。マストやブームの溝にはめる。
ヨット・レースの海上本部となる船。通常はスタート・ラインの右側に位置して、信号旗などを掲揚してレースを運営する。コミティー・ボートともいう。
ヨット・レースでの回航地点、スタート・ラインの目印など。アンカーで定位置に固定する。
ヨット・レースにおいて、マーク設置を行う運営艇。回航順位やケースのチェックを行うこともある。
⇒ ケース
風上マークや風下マークを回り込むこと。
デュポン社のポリエステル・フィルムの商品名。セール・クロスのラミネート用に使われている。
船の真後ろから風を受けること。
帆柱。
デッキ付近でマストを支える部分。船体と一体であったり、船体の一部として取り付けてあったり、艇種によって違う。
1:マストが乗る台座。 2:マストを昇り降りするための足ががり。
マストの調整。横方向は真っ直ぐ、縦方向には傾けたり、曲げたり。
マスト上端。マストトップ。
前後方向のマストの曲がり。横方向はサイド・ベンドという。
⇒ ベンド
マストの傾き。わずかにアフトレーキ(後ろへ傾く)させることが多い。
多数のヨットが同時に競うフリート・レースに対し、1対1で競うレース形式。
プレジャーボート用の港。マリーナというと、ヨットよりモーターボートの比率が高いような気がする。
船と船が出合うこと。ヨット。レースで2隻が交差する時に使われる。
アパレント・ウインド。船が走ることによって生じる風と、実際に吹いている風を合成したもの。
⇒ しんのかぜ
水面上の余地のこと。ルームともいう。ヨット・レースではマーク開港などの際、他艇に対して必要なスペースを要求できる場合があり、その場合には「水ください」などと主張する。
3本のストランドを撚り合わせたロープが三つ打ちロープ。ロープは大きく分けると、撚り合わせたものと編み込んだものに分けられる。
⇒ ストランド
メインセールを調整するためのロープ。主にメインセールの開き具合、リーチの形状を変える。
⇒ シート
メインシート・トラベラー 【mainsheet traveler】
メインシートのリード角を調節するための可動式のブロック台座。これが乗るのがメインシート・トラック(mainsheet track)。
⇒ トラベラー
マスト後方、ブームの上に展開するセール。メインと略すことが多い。
船を係留すること。
三つ打ちロープが3本のストランドを撚ったロープであるのに対し、こちらは8本のストランドを編んだロープ。伸びるが、柔らかくて拠れにくい。アンカー・ロープなどに最適。
⇒ ストランド
ユニバーサル・ジョイント 【universal joint】
あらゆる方向に可動する継ぎ手。ティラーとティラー・エクステンションの間に使われたりする。
ヨット・レースにおいて、まもなく準備信号が発せられることを予告する信号。スタート5分前が一般的。
オリンピック種目にもなっている全長4.70mの2人乗りディンギー。スナイプ級とともに、大学生を中心にもっとも普及しているセーリング・ディンギーのひとつ。略称は「ヨンナナ」。英語ではフォー・セブンティー(four-seventy)。
⇒ スナイプきゅう
軽風用のヘッドセール。
⇒ ジェノア
救命胴衣。ライジャケなどと略される。自動膨張式、手動膨張式などのコンパクトタイプもある。
落水を防ぐ目的で、デッキ・サイドに張り巡らされたワイヤ。ライフ・ラインを支えるのがスタンション。
⇒ スタンション
救命筏。膨張式の屋根付きゴムボート。
⇒ きゅうめいふき
ロープ類の別称。
⇒ ロープ
ラウンド・アン・エンド 【Round-an-End Rule】
RRSで定められた、ヨット・レースのスタート手順に関するルール。適用された場合、リコールした艇はスタート・ラインのどちらかのエンドを回り込んで、再スタートしなければならない。
セールのパネル配置のひとつ。各パネルがピークやクリューから放射状に配置されているもの。
梯子。
舵。船の向きを変えるための板。
ラダーを繰り返し左右にきって、船を前進させること。スカリングと同様。
⇒ スカリング
逆転防止が付いたブロック。レバーを切り替えるとラチェットが外れる。力が掛かったときに自動でラチェットがかかるものもある。
舵輪。大型艇になるとティラーではなくラットが一般的。
ライフラインなどをピンと張るために使う細いロープ。
1:セールの前縁。 2:風上に向かって方向を変えること。
⇒ のぼる
風上に針路を変えること。ラフすること。
⇒ ラフ
ヨット・レースの戦術のひとつ。ダウンウインド・レグで風上側から追い抜こうとする相手艇に対して、ラフィングして攻撃すること。風上艇は避けなければならない。
⇒ ラフ
ジブのラフに通したワイヤのこと。
一時的に風が弱まること。「ラルった」などという。
後ろから風を受けて走ること。追っ手ともいう。
風下。下(しも)ともいう。
風で船が横流れすること。
セールの後縁。
リーチのばたつきを抑えるために縫い込まれた細いロープ。片方がクリートやマジックテープになっており、ばたつきがなくなる程度に引き込んで使う。
⇒ クリート
メインセールのリーチ(バテン・ポケットの後端)に縫い付けた風見。
クローズホールド以外の角度で、目的地がヘディング方向にある状態で真っ直ぐ目的地まで走っていける状態をリーチングという。クローズリーチ、ビームリーチ、ブロードリーチなど風に対する角度で呼び名があるが、すべてリーチング。
⇒ ヘディング
ヨット・レースにおける戦術のひとつ。アップウインド・レグでのミートの際、タッキングして相手艇の風下前方に位置すること。セーフ・リワード・ポジションになる。
風の強さに合わせて、セールの面積を小さくすること。メインセールには1(ワン)ポイント、2(ツー)ポイントなどがあり、それぞれワンポン、ツーポンと略される。数が増えるほどセール面積は小さくなっていく。ジブも同様にリーフできるものもあり、ジブ・ファーラーを途中まで巻き込んで使うときもリーフという。
ウェザー・ヘルムの逆で、舵を真っ直ぐ持っていると船首が風下へ向こうとする傾向。
⇒ ウェザーヘルム
風下、風下側。
再スタートのために呼び戻すこと。フライングした場合の措置。ヨットではフライングとはいわない。呼び戻す船が多すぎて確認不可能となるとゼネラル・リコールで、全艇がスタートやり直しとなる。
風向の変化で、針路が風上に向かうような振れのこと。逆はヘッダー。
頭を潰して接合させる方法。マストなどに部品を取り付けるのに使われる。
アメリカズ・カップ挑戦者決定シリーズのスポンサー。ルイ・ヴィトンカップ(LOUIS VUITTON cup)を制した者だけが、アメリカズ・カップに挑戦できる。
レース戦術のひとつ。タイト・カバーが、相手にタッキングを強いて針路を変更させる意図でるのに対し、ルーズ・カバーは相手が針路変更しないような位置に付くこと。現在のリードを維持するために行う。
⇒ タイト・カバー
水面上の余地。水。
⇒ みず
タッキング、またはジャイビングすることなしに、マークに到達できる針路の線。上マーク付近のレイ・ラインは特によく使われる。
⇒ マスト・レーキ
レーザーきゅう 【レーザー級、International Laser class】
全長4.23mの1人乗りディンギー。オリンピック種目にもなっている。
レーシング・ストラテジー 【racing strategy】
レースにおける大局的な作戦のこと。戦略ともいう。
レース戦術のことで、主に他艇との駆け引き。風向の変化なども重要になる。
⇒ タクティシャン
⇒ レースいいんかい
ヨット・レースを運営する委員会。主催団体の指示に従い、競技規則に定められている通りにレースを運営しなければならない。
異なる艇種間で行うヨット・レースで用いる、船ごとの格付け。ハンデキャップを計算する際に必要となる。
日常的に使うジブ。一般的にはメインセールにオーバーラップしないジブをいう。
1:レース・コースにおけるマークとマークの間。上下4レグといえば、スタート(下マーク付近))→上マーク→下マーク→上マーク→下マーク(フィニッシュ)となる。 2:タッキングとタッキング、またはジャイビングとジャイビングによって区切られた区間。 3:区切りの区間。港から港までなど。
ひも。ロープ、シート(sheet)、ライン(line)などいろいろ呼び分けられている。
船の横揺れ。傾くだけならヒール(heel)。
1:セールを丸めて収納すること。 2:体重移動によって船を傾けること。船をロールさせながらタックやジャイブすることによって、スピードを落とさないテクニックとして、それぞれ、ロール・タック、ロール・ジャイブがある。
タッキングの際に、体重移動でヨットを強制的にヒールさせ、低速を失わないようにするテクニック。
ヨットを繰り返し左右に揺らすこと。微風でも前進するため、レースでは禁止されている。
予期せずジャイブしてしまうこと。ブーム・パンチに要注意。
⇒ ブーム・パンチ
メインセールのリーフの第一段階。1ポイント・リーフの略。
⇒ リーフ